刹那-逡巡

起きてしばらく、昨日のアルコール分がやはり少し残ってることを感じて、胃の悪心よりも気持ちの落胆の方が大きいことに気付く。

肝機能の低下を感じたのも嫌だったし、それに今日の空模様にもまた厭な予感がした。
悪い一日になる気がした。
ただし、今年の訓戒は『予断は禁物』だった。
先見は必要だけれども、予断をもって展望を塞ぐことの方が今までは僅かに多かった。
今度こそ、それは避けたいと知人に話をしたばかりだ。

楽曲の制作のミーティングに行く。
議案を明確に用意できていなかったことから、稔りがないかもしれないという懸念もあったけれど、結果、いまのところすべて杞憂に終っている。
常に発見がある。
新鮮でそれでいて決して青くはない意見が挙がる。
時間が忽ち過ぎていく。

言の葉は、心算のあるなしに関わらず発した瞬間に主体にも客体にも影響をあたえる。
それはきっと本当で、不要な慎重さが、しかし磊々と無駄な障壁を築いていたことは確かだった。
それさえ気を付ければ、なんてことはない。
皆前を向いていれば前に進むしかない。
進捗の程度こそあれ、逸脱することは考えにくい。
すっと、胸のつかえが取れた気がした。

巡り合わせ。
小さな、目に見えないほど小さな輪から。
指を弾くより短い時間。

帰り道に一人で食事をとった。
別のテーブルには学生の集団がいて、どうやら皆ダンサーのよう。
今日は遠くから新宿まで来ていたようだ。
地元ではブレイクうまい奴はいないから、今度かまそう。
多分全然イケる。
そんなことを喋っていた。
よくわかんないけど頑張って欲しいと思った。

 

 

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