2011 昔の事

以前新潟にいたころよく行ったのは白山神社で、地元ではメジャーな場所だった。
ククリヒメ、イザナギだけでなく沢山の大神を配祀していたはずだ。

その白山神社が今の近所にもあり、ここ何年かはふらりと訪れる。
こちらはイザナミを祀り、境内には樹齢九百年の大けやきが聳える。
1083年に源義家が奥州に下る際、戦勝を祈願して奉納したそうだ。
とても遠い昔の話だ。

 

数年振りに、正月を家族で過ごした。
そこで、少し前に神楽坂の赤城神社に行った話をした。
新潟では珍しい赤城神社の分祀が、生家の付近にあるらしいと話すと、親はそれらしい場所を知っているようだった。
山岳信仰により自然的に祀られたものか、分祀されたのか由緒はわからないが、祖父の代で交流があったらしく、実際に山伏の格好をした修験者もいたらしい。
群馬赤城山をご神体と祀っているはずなので、まず間違いないと思う。

曾祖父は戦争だか病気だかで早くに亡くなっている。
その曾祖父に連れられて赤城神社の祭りに行ったのが、祖父が持つ曾祖父の唯一の記憶だったそうだ。
これも、とても遠い昔の話だ。

教科書に載るほどの遥かな時代も遠いが、口伝で瑞々しく浮かびあがる昔が、なぜか遠く儚く感じる。

 

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