夜気
カフェオレさまに、心情を吐露します。
春先から続く喪失感、寂寥感も
昨夜は忘れられたように思います。
長く追い続けていた蜃気楼に触れたような
そんな感覚が右手のひらに残っています。
催涙作用と、それを乾かす強い力が
同時に打ち寄せて胸を拉ぎました。
夜中に
あまり得意ではないギターの爪弾きを試して
それから少し歌ってみて
いつしか微睡んでいました。
つかの間見た夢に何年かぶりに出てきたのは
まだ生彩を放っていたころの椿堂で
一番見たかった
絵を描いている情景でした。
目を覚まして
身体の中にまだ地名の書かれていない白地図のような
そんな部分を見つけたように感じます。
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