青葉の頃 #1

担任は、若い女の先生だった。

春には生活ノートが生徒全員に配布された。
一日のサイクルと、一日の出来事を書く欄が週間7マスあり、これを週末に担任へ提出しなければいけない。

一日のサイクルの欄は、不思議な模様を描いて埋めた。
一日の出来事の欄には、反抗を象徴した【悪いピエロ】の生涯を7コマの絵と文字で、灰色に綴った。
心のどこかで叱られるのを期待していたのかもしれない。

週明けに帰ってきたノートの返信欄には、担任の赤ペンでこう書いてあった。

「小栗、大丈夫?」

そうして反抗期は終わった。

空を見上げれば、相変わらずまぶたにミジンコのようなものが透けて見えて、目で追うと視界の外へ逃げていく。

 

 

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