暮色蒼然

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その店で昼食をとったのは半年前で、まだオープンしたてだったように思う。
静かな雰囲気で、また来ようなどと思っていた。
その時は、アボカドとしらすの料理を頼んだ。

西に朱が差す頃、倦怠感とともに発熱と軽い皮膚炎が現れた。
知己に諮詢したところ、アレルギーではないかとのこと。
ただその時はすぐに治まり、いつしか忘れていた。

ひょんなことからそのことを思い出し、再びその店を訪れる。
店主の女性と、数人のご婦人たちが談笑していた。

かつて頼んだメニューを選ぶ。
耳をそばだてずとも聞こえてしまう会話。
すると話は、近所で評判らしいオーラが見れる人の話題に移る。
なんだか、そういう方面には少し警戒してしまう。

「どこそこの奥さんも見てもらったらしいわよお」
「お花のカードで教えてもらったんですってえ」
安閑とした運びに、杞憂だったと胸をなで下ろす。

「チャクラとかいうの開けてもらったんですってねえ」
「どうやって開けるのかしら。ノックするのかしらね。ぎゃははは」

そろそろ落日の気配。
アレルギーの症状は出ないみたいだ。

 

 

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