わが衣手に雹は降りつつ

その店員はすこぶる無愛想。
接客がどうこう以前に、何も言わず見つめ合う時間が長くて思わず笑ってしまいそう。
逆に。

水没した。
iPhoneが。
洗面台でのひとこま。
無意識に「おわ」と声をあげたのが分かった。
応急処置を調べてもらい、とりあえず落ち着く。

*やってはいけないこと
電源を入れてはいけない。
振ってはいけない。
そんなの絶対やるだろう!
ぶんぶん振りまくった。

また、はじめのうちは電源も入ったのだけど、しばらくしたら全く画面はつかなくなった。
なぜか背面のフラッシュは煌煌と光っている。

*応急処置
カバーのたぐいはすべてはずす。
SIMをはずして水分を拭き取る。
ヘッドホン端子とコネクタを拭く。
ティッシュにくるんで乾燥剤をいれて密封。

これでしばらくおいたところ、電源は入るようになった。
しかし、操作はできず、液晶も派手に濡れたあとが残った。
気分は地に落ちる。

修理業者に持ち込む。
あれ、このひと専門学校時代の知り合いに似ている、と思ったが別人のようだ。

そもそも職人というのは愛想を振りまく職業ではない。
ないけど。
でもさ、無言てどうなの。
まあ直してくれれば文句はないけど。
液晶パネルの交換、パーツ交換、クリーニングを施し、無事に復帰した。

あれ、最後に笑顔。
職人が、わらった。
荒んでいたのはこちらの方だったのか、って。

そして雹が降った。

 

 

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