ポップアートの父

ビートルズのホワイトアルバムは誰でも聴いたことがあるが、そのジャケットのアートワークがリチャードハミルトンによるものだということはあまり知らない。
知らなかった。
気になって、あの2枚組のケースを引っ張りだしてきた。

ホワイト、としか呼びようのないカバー。

UKのポップアートが胎動する50年代に、大衆的なモチーフを学問に昇華させた先駆者で、アンディーウォーホルなど、のちの現代美術家に影響を与えたとか与えてないとか。

 

DIC 川村記念美術館での開催は、【R.ハミルトン “MADE IN LONDON” 】コレクション。

 

櫟られた作品にこんなものがあった。
ネガをベースにした版画も多く、スライドのスナップショットの色彩をシアン、マゼンタ、イエローの版に分けて、CをMに、MをYで、YをCで刷り、シャドウはホワイト、ハイライトをブラックで刷る、逸脱したアイデア。
今でこそ此処彼処で目にする技法も、CGでは出せない原画の迫力に気圧された。

 

常設も、レンブラント、近代印象派の巨匠たち、抽象~シュール、現代ポップアートと、わりといろいろで思いがけない遭逢に高揚を隠せず。

企画展の会期は9月30日まで。

 

夏は夜。

森で演奏会と映画の上映。
【キノ・イグルー】は移動映画館で、様々な空間で世界各国の映画を上映するプロジェクト。
上映はフランスの『赤い風船』
監督:アルベール・ラモリス(1956)

ほとんど台詞のない幻想短編が、カンヌの短編パルムドール受賞、アカデミー賞の脚本賞を受賞していたのには驚いたが、かつて本邦で話題になった【風船おじさん】が、この映画の影響で旅立ったことは、知らなくても良いことかもしれない。

 

 

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