づかん

書き忘れていた。

毎年いつも変わった贈り物をくれる人から、今年はこんな贈り物。
相変わらず、こちらの嗜好を完璧に把握した慧眼を持つ。

表紙の【姥が火】のシンボルとエンボスが妖しさを醸す。
ボストン美術館蔵の鳥山石燕の妖怪絵巻がカラーで収録。
なのだけど、その他は著者のコレクションに依拠した作者不明の妖怪絵巻を収録。
これがいかにも珍妙で諧謔的。
その時代の習慣風俗が垣間みれる。

春に、鳥山石燕の展示を観る機会があった。
【画図百鬼夜行】、【今昔画図続百鬼】、【今昔百鬼拾遺】【百器徒然袋】の一部の原画を目の当たりにした。
蠱惑的で精緻な描画とその際の高揚感は筆舌に尽くし難い。

「だって子供の頃から観ていた絵の本物ってことでしょ」

グラフィックのビットマップ運用はもう避けられないが、やはり原画の持つ力を忘れないように。
そう思う。

 

 

Comments are Disabled